消化管ステントの留置:実践編

消化管ステント留置術

実際の留置の前に

 術前にスコピストと助手が同じ完成図をイメージしている必要がある.

狭窄の両端に2㎝余裕を持って留置する
予定留置イメージ

 食道ステントのようにOver the Wireで術者も助手も透視画面を見ていればいいのですが,Through the Scopeの場合,見るべき画面が透視画面内視鏡画面の2画面になります.スコピストも助手もどちらの画面も見なくてはならないですが,スコピストは内視鏡画面寄り,助手は透視画面寄りになります.

 助手が指導医の場合は,スコピストは内視鏡画面にある程度集中すればいいのですが,スコピストが指導医の場合が問題です(恐らく指導医がスコピストのことが多いです).簡単な症例はいいのですが,スコピストが内視鏡のコントロールが難しく,透視画面に目を配る余裕がない時にステントを展開しなくてはならないことがあります.

 助手が何の理解もないまま変な位置で勝手に展開すると当然失敗します

 そのため助手の教育が重要です.ただ単に展開すればいいというわけではないのです.

 まずは助手になる前にきちんと見学をして理解をしてください.

展開の開始

 展開はじめは抵抗が大きいため,なかなか開いてくれません.力を入れすぎるとジャンピングを起こすこともありますので丁寧にまず2㎝ほど展開します(Fig. 1).開き始めのところを助手はしっかり透視画面をみて狭窄部より奥で(distalリリースの場合)展開しているかを確認します.

 2㎝程の展開が進めば位置の微調整に入ります (Fig.2) .

 狭窄の外側に2㎝あれば十分ですので,デリバリーを引いて開いた部分を狭窄の遠位端に持ってきます(Fig. 2).そのあとはゆっくり展開していくだけです

正しい留置

Fig. 1
Fig. 2

この時抵抗が強いのに思いっきり引くと,抜けてしまうことがあります(Fig. 3a, 3b ).抜けたら戻せないので,抵抗があまり強い場合は,口側にステントの余裕がどれくらいあるかを把握し,余裕があるなら無理せず,引きのテンションをあまりかけずに展開します.ステント長に余裕がない場合は,スコピストを上級医が行い,展開を行いましょう.

Fig. 3a
Fig. 3b

ステント長が足りないと,2本目のステントを入れることになりますが,一番ダメなのは中途半端に引っ張って留置して狭窄とステントが一致することです.口側と,肛門側の両方にステントを追加のステントを入れなくてはいけないことになるかもしれません.そのようなことにならないように悩んだ場合は長めのステントをチョイスしましょう.

ぎりぎりの長さを選択するのはリスクが高いです.

遠位側が足りない

近位側が足りない

両端が足りない

リリース時の注意事項

 決して狭窄部の中で展開を開始してはいけません.まず少し離れたところ(distalリリースであれば狭窄部より遠位側で)から余裕をもって展開を開始します.ステントの端が狭窄の中に入った場合は,ステント端が腫瘍に刺さり,押すことができなくなります(Fig. 3bと同じ状況).

 おまけ

 Ultraflex(ボストンサイエンティフィック)は糸で巻かれていますが,展開し始めるまで結構糸を引かなくてはいけません.proximalリリース時にしか使わないと思いますので,それほど展開を経験しないと思いますので,糸を引きながら「何にも起きないけど,大丈夫かな」と心配にならないようにしてください.

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