消化管ステントか手術か?

消化管ステント留置術

ステント留置は根治手術ができないことが前提です(大腸を除く).

 食道は手術を行うことはできないのでステント留置が基本になります.化学放射線療法後などでステント留置を避ける施設胃瘻も選択肢に挙がりますが,どうしても経口摂取の希望が強いことが多いので,実臨床ではステント留置が必要になります.

 たまに悪性腫瘍による狭窄をバルーン拡張で広げられるのではと思う方がおられますが,一時しのぎに過ぎないのでステント留置が必要です.

ちなみに,バルーン拡張を使うのは

  1. デリバリーが通過しないとき
     ガイドワイヤーが留置してOver the Wireでデリバリーを進めますが,デリバリーが通過せず,咽頭部でたわむときはバルーン拡張が必要です.咽頭部でどうしてもたわむときはオーバーチューブも併用することがありあます.
  2. 腫瘍が大きくて,ステント留置で気管や気管支を圧排する可能性があるとき
     Bulkyな腫瘍ですとステント留置することで腫瘍が押し広げられ周りの臓器を圧排することがあります.食道ステントの場合,気管や気管支を圧排すると閉塞することがあります.
     そのため,いったんバルーンで拡張してみて15-18mm,大丈夫かチェックすることがあります.ステント留置直後は大丈夫でも,数日たってから圧排をきたすことがあるので,気休めといえばそうですが,バルーンで圧排してダメな場合はステントは当然留置不可能ですし,後日,閉塞症状が出た場合も最善を尽くしたと言い訳をすることができます.
     気管・気管支を圧排しそうなときは気管・気管支へステントを先に入れてもらえればいいのですが,なかなかハードルが高く入れてくれません…
     圧排症状が出るかもと思ったときはcoveredステントを用い,万が一のときは抜去できるようにします.

胃十二指腸や大腸の狭窄の場合はバイパス術という選択枝があります.

 バイパス術のほうが開口部が大きくて,ステント閉塞や逸脱のようなトラブルがないため可能であればバイパス術を選択します.一般的に予後が3か月以上見込める場合はバイパス術がいいでしょう.

 胃前庭部から幽門輪付近の狭窄ではファイバーが容易に通過するのに,食事が通過しないことがあります.これは食道や大腸のような管腔の狭い臓器と異なり,食事を運ぶ蠕動の力が周囲へ逃げやすいため,胃内で食物が対流することが原因と考えいます.そのため,狭窄がそれほどきつくない状態でも食事が通らず,胃内に食物が貯留することになります.そのような場合もステント留置やバイパス術が必要となります.

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