ガイドワイヤーはステントのメッシュの真ん中を通過しているわけではない

ERCP

 胆管に挿入されたメタリックステント(SEMS)のre-interventionや肝門部で2本のステントを”through the mesh”で入れる場合,ガイドワイヤーやデバイスがステントのメッシュを通過する必要があります.

まずはメッシュにガイドワイヤーを通そう

 ステント内腔を確保したい場合はガイドワイヤーはすぐメッシュから出るくせに,出てほしい時には出てくれません.

 頑張ってまずはガイドワイヤーを確保しましょう

 通常は0.025インチのアングルを用いますが,状況に応じて(というかうまくいかないときは)先端ストレートや剛性の違うものに変えることも必要です.

 それでもだめな場合はカテーテルの方向を変えられるオリンパスのSwing Tipやパピロトームナイフを用いてもいいでしょう(持ち出しになるのでめったに使いませんが).

 大事なのは一つのデバイスに固執し過ぎないことです.普段はコスト意識が高く,無駄なデバイス使用を厳しく制限しますが,トラブルシューティングや困難例では人的・時間的コストのほうが大きくなってきますのでデバイス使用の制限は緩めましょう.

ガイドワイヤーが通過したのにデバイスが通過しない

 ここが今回のキーポイントです!

 上の左図のようにガイドワイヤーの形状は主に3点できまります.すなわち肝内胆管と総胆管での接点です.これが右図のようにステント(この場合メッシュ)と接することがない状態のガイドワイヤーの形状と同じであれば問題ありませんが,通常はガイドワイヤーにもアキシャルフォースのようなまっすぐになろうとする力が働きますので,両者のガイドワイヤーの形状は微妙に異なります.

 すなわち,右図の場合ではメッシュとの接点がないため,総胆管内でできるだけ直線化しようとするため,メッシュを通過するときよりも,曲がりが緩くなります.

 しかし,実際はメッシュがあるためほとんどの場合はメッシュによってガイドワイヤーの形状が規定されます.

図1

図2

図3

 図1のように通過する可能性がないわけではありませんが,ほとんどはガイドワイヤーのアキシャルフォースのため図2のようになります.

 もちろん肝内胆管と総胆管の接点の状態によって図3のようになるかもしれませんが,まずないでしょう.

 ほとんどの場合は図2なのです.

この状態でカテーテルやステントを挿入すると,ときどきメッシュのところで引っかかります.

 

これなら通る
ひっかかる

  多くの場合はうまくいくと思いますが,たまにここで引っかかるのです.そのため最近ではステントデリバリーの形状を工夫して先端を細く,ガイドワイヤーとの段差をできるだけ少なくする工夫がなされたステントが開発されています.

  この状態でバルーンやダイレーターを使ってもメッシュの部分は十分スペースがあるため意味を成しません.バルーンやダイレーターが役に立つのは狭窄しているためデリバリーが通過しないときのみです.しかし,実際はバルーンやダイレーターを使うとガイドワイヤーとメッシュの位置関係が微妙に変わって通過することがありますので,まったく役に立たないわけではないですが,狭窄があって拡張したから通過したのか,位置関係の変化で通過したかは理解する必要があります.

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