ERCPのカニュレーション困難例への対処

ERCP
young man on a table. worried expression

 何を困難例というかはいろいろあるが,5-10分で挿管できなければ一般的に「困難例」と言われるでしょう.

ERCPのカニュレーション困難例のバリエーション

  1. 正面視困難(見上げられない,左右に偏位)
  2. Narrow Distal Segment(NDS)が長い
  3. 体動や蠕動

 “3”は鎮静の問題として置いておくとして,やはり“1”,“2”が問題になります.

正面視困難(見上げられない,左右に偏位)

 見上げの角度が足りない場合が多いと思います.開口部をしゃくり上げて胆管を狙っているのに膵管に入ってしまう.さっき膵管に入った位置よりさらに上を狙ったのにやっぱり膵管・・・

 さらに角度をつける方法にはどうしましょうか?

  1. 遠景法にする
  2. ストレッチをpushに切り替える
  3. パピロトームを使う 
通常距離
遠景

 1,2は組み合わさることもありますが,ファイバーを少し押し込んで距離をとるとより上を狙うことが可能となります.

Narrow Distal Segment(NDS)が長い

 いわゆる胆管の下部の固定が悪い部分です.内視鏡医の思っているNDSと解剖学的なNDSが同じかどうかは自信がもてませんが,取り敢えず胆管下部の固定が甘いところが長いと乳頭というか挿管のラインが安定せず押し込もうにも力が伝わらないことがあります.

左の図の下の方がいわゆるNDSです.

  • Kune CA: Current practice of biliary surgery
    Boston, Little Brown,  1972, p25-32
  • 小野 慶一:十二指腸乳頭部を中心とした胆道の生理と病態
    日消外会誌 16(4):745~ 757,1983年

内腔にはひだがあって,ミクロ視点ではルートはまっすぐになっていません.

赤いところがNDSのイメージだが実際は共通管込みで考える

左図のようにまっすぐではなく,NDSが長い場合はぐにゃぐにゃしてくる

Narrow Distal Segment(NDS) の直線化

 3次元で考えるとややこしいので,2次元のみで考えてみます.うねりが左のようにありますが,これをカテーテルを挿入して,矢印の方向に力を加えると,山の部分がまっすぐになります.これを繰り返して直線化してカテーテルを挿入します(実際には3次元でうねりがあります).

Compact Disk Method

 下の図のようにずれて並んでいる管腔をカテーテルで通していくイメージでもよいと思います.

近畿大学医学部附属病院 消化器内科 
竹中 完 先生より

カテーテルでのカニュレーションの困難性

 原因は

 カテーテルの硬さ > 胆管(NDS)の硬さ

 にあります.

胆管カテーテルの形状に合わせる必要がある.

このことがカテーテルでの挿管を難しくしていると考えています.

それを打破する一つの方法がWire guided cannulationです.

コメント

タイトルとURLをコピーしました