ガイドワイヤーを挿入していく際に軟性部がループ状になることがあります.これを便宜上loop topと呼んでいます.形状はほかの項でガイドワイヤーの形状について触れましたが,loop topはストレートに近い位置づけとなります.

普通はこのようにまっすぐ軟性部が入っていきます

たまに軟性部がループを形成して入っていくことがあります
慣れていない助手だとloop topになると「変なガイドワイヤーの形を作ってしまった」とガイドワイヤーを引いてループを解除しようとします.本当にだめなのでしょうか?
問題がなければループのまま押して行って,カテーテルを追従させたうえで解除してもいいと考えています.カテーテルのサポートがないままループをほどくとせっかくいい枝に入っていたガイドワイヤーが総胆管に戻ってきたりします.
どの枝を確保するのか,そのためにどのようにガイドワイヤーを導いていくか術者と助手が同じ絵を描いていることがスムーズにERCPを進めていくコツです.
loop topの応用編
LHDを狙っているのにRHDにガイドワイヤーがはいってしまいました.このときすぐに抜いてLHDを狙うのではなく,すこしガイドワイヤーを押して,先端をどこかの枝に引っかけてループを作ってみます.上のようにRHDにloop topが形成されたらあきらめますが,左に loop top が形成されることがあります.
これはこのガイドワイヤーがLHDへ進もうとしている表れであり,すぐにループをほどくのではなくある程度 LHDに押し込んで,硬性部がLHDにかかるぐらいになれば,カテーテルをフォローさせて,カテーテルがLHDを確保したのちにループを解除します.

ガイドワイヤー操作は助手の腕の見せ所です.術者の意向をくみ取れる助手力を身に着けてください.
コメント