全周切開でITナイフが引っかからない!

ESD

 プレカットした後,さーITナイフで切開を広げようと思って切っていると引っかかりがなくなってITナイフが滑ってしまい,それ以上切り広げなくなることがあります.

 中級以上になるとそんなことはなくなりますし,先端系ではどこからでも切り始められるため起こらない現象です.

 原因は全周切開をしている途中で何となく切り抜けて「スロープ」を形成していることです.

 このようにすーっとITナイフを抜いてしまって,粘膜下層がなだらかになったために,全周切開を再開する際に先端のチップが滑ってしまって,再開のきっかけを失ってしまっているのです.

凝固をかけて段差を作る

 そんな時は全周切開が途切れた少し手前で凝固をかけてわざと段差を作ります.そうすることでスロープに変化が生じ,あらたな引っかかりが形成されます.

  しかし,これは慣れが必要です.中級以上の人は普通にやっていることですが,初心者の頃はなかなかできません.

 そもそもスロープを形成する原因に押さえつけることができなくなることがあげられ,押さえつけたくてもそれができないのです.胃体部のような薄い粘膜下層.筋層のエリアでは技術的に抑えられないこと以外に,心理的に怖くて抑えられないこともあります.調子に乗ると筋層まで凝固熱がすぐに伝わります.

 ではどうするのか?

局注を追加する

 局注を追加し,粘膜下層のさらなる膨隆により安全域を増やします.これは段差を作るためなので無駄に打たず,段差を作りたい部分だけにします.欲張って先のラインに局注を行うとなだらかな隆起を形成し,「膨隆があることの安心感」が薄れます.切りたいところだけ膨隆させて安全域を視認し凝固をパン,パンと踏んで段差を作ります. 

プレカットを置きなおす

   スロープを作った先の粘膜にプレカットを新たに作ります.そこから針状メスでアームカットを行いスロープまでたどり着きます.この時プレカットは離れすぎないようにしてください.慣れない先生はアームカットで切り進むことが危ないです.1,2カットでたどり着くぐらいのところにプレカットをあけます.アームカットで全周切開が途切れたところまでたどり着いても粘膜下層は浅くなったままですので,今後のことを考えて凝固でトリミングをしておきましょう.

 

番外編:出血してスロープどころではなくなった

 胃体部では大出血とまではいかなくても全周切開で出血し止血に難渋することがあります.後先考えずに止血することになりますがそのせいでそれまで築いた「いい切開層」が失われます.こんな時もプレカットを少し先に開けて新しい「いい切開層」,「きっかけ」を生み出してください.

 出血して焦げたところは非常に切りにくくなっています.剥離のとき苦労しないように,できればその前後はきちんとトリミングしておきたいです(焦げているところはトリミングは効かないです).

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