上部消化管内視鏡検査: なぜ左の梨状窩から入るのか

内視鏡

なぜ左の梨状窩から入っていくか?

 それは,挿入時に左側臥位であり,左側が重力の下になるためです.

 自然とファイバー先端が左側(重力の下)に向くためので,無理にアングルやトルクをコントロールしなくて済みます.

 別にどっちから入ってもいいですし,場合によっては右の梨状窩から入る時がいい時(人)もあるので,左に固執する必要はないです.

 嚥下を促しながら梨状窩を通過する方法が用いられますが,ファイバーが咽頭部まで来た状態での嚥下動作は結構しづらい(実際やってみると分かります…)ので,基本は息止めを行い咽頭領域の動きを止めて,不必要なところにファイバーだできるだけ接触しないように梨状窩へタッチし,息を吐いて咽頭部が弛緩したときに挿入するようにしています.

 もちろん,入りにくい時は嚥下してもらうこともあります(もともと食事が通るはずなのでファイバーは必ず飲み込める).

咽頭部の観察は

  •  咽頭部での嘔吐反射
  •  唾液の量

に依存します.

 できれば唾液は検査前に出すよう患者に促し,ファイバー挿入を始めましょう.

 嘔吐反射は咽頭部への接触で誘発されますので,アングル・トルクの微調整で口腔内でどこにも当たらないようにホバリングした状態で梨状窩へと進みます.

 舌表面(根部を除く)では嘔吐反射は起こらないため,舌表面を滑って挿入し,舌根部になるべく当たらないようにUpアングルをかけて入口部方向へ向かいます.どうしても咽頭後壁にファイバーが当たりますが,その時間は短く,ソフトにすることで反射の誘発を軽減します

 咽頭部の観察をあまり無理すると嘔吐反射が余計に誘発され,患者が検査に消極的になるので,ハイリスク(食道がんの既往やフラッシャー)の人以外は無理しないほうがいいでしょう.外来でクレームを聞く羽目になります.どうしてもというときは鎮静を使いましょう.

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