食道ステント留置術について

内視鏡

食道ステント留置術

 悪性食道狭窄に対して留置するものですが,良性でも留置できなくはないが現時点(2019/12/10)では適応がないので保険的に無理です.気管支瘻がある場合に閉鎖を目的として行うこともあります.保険的にはグレーですが怒られることはないでしょう.

 たまにバルーン拡張で何とかならないかと聞かれますが,悪性狭窄は一瞬拡張してもすぐ戻るので拡張術では改善しません.

esophageal stent

留置前の注意点

 基本的には抜けないので適応を判断する.放射線治療後は穿孔のリスクが高くなるので留置しない施設もあるが,患者さんの経口摂取への訴えで実臨床では入れざるを得ないことも多いです.

 腫瘍のボリュームが大きい時はステントを留置することで腫瘍が外側の臓器(多くは気管支)を圧排しないかを確認.最終的には入れてみないとわからないが,危なそうなときは先に気管ステント入れるか(あまり入れてくれないけど),まずはバルーン拡張を行い試しに圧排してみる.

 無事留置できても,数日してからくしゃっと圧排することもあるので油断は禁物.

 IC時に穿孔・迷入.気管圧排による呼吸障害はかならず説明する.もちろん上部の留置する場合は咽頭部不快感

ステントの選択

 カバーの有無

食道癌であればingrowthの予防のためカバー付きを,リンパ節などの圧排であればカバーなしでよいでしょう.抜去の可能性があるのであればカバー(フルカバー)を入れる.

基本

  •  腫瘍の圧排であればカバー付き
  •  壁外圧排であればカバーなし

 リリース方式

 ステントは構造上ふつうdistalリリースです.多くの場合はdistalリリースを選択するがステント留置の位置決めはリリースする側をまず決める.咽頭部に近い場合,どうしても口側端の位置決めが重要になるためproximalリリースを選択する場合がある. 

proximalリリースはボストンサイエンティフィックのUltraFlexになる.

咽頭部にかかるか心配な場合はproximalリリースを選択する

Distalリリースでもきちんと透視下でステントを見ながら留置できなくもない

マーキングの方法

食道の場合はOvert the wireなので造影と内視鏡で狭窄部をまず確認し,クリップなどの金属でマーキングを体表に行いますが,18G針はやめましょう(理由は後述).その後,ガイドワイヤーを留置して内視鏡を抜去します.

リリース

 ステント留置は一人でもできますが,普通はステント本体を操作する人とリリースを行う人の2人で行うことでしょう.そのため二人がどのようにステント留置を行うかあらかじめ共通の認識を持っておく必要があります. マーキングが終わればあとは入れるだけですが,留置後のイメージが出来上がっていることが重要です.

 リリースのなかで開き始めが一番重要です.まずは留置予定より少し奥(proximalリリースは手前)でゆっくりリリースしていきます.リリースの最初は固いですが,力を入れすぎるとパーンとリリースされてしまいます.力を入れつつ,拮抗筋も作用させながら1-2cmほど展開したら位置の調整を行います.フレア(端の広いところ)があるものは狭窄部の外側にフレアがあればOKです.あとは端の位置を保ちながら,引き込まれない(ステントは最初に開いた方向へ進んでいこうとします)ように展開します.

 リリースが終われば,一応GWを残してファイバーの再挿入を行い,造影しますが

 その前に,マーキングを外しておきます.

 かならずマーキングを外した状態で写真を撮影しましょう.別にマーキングがある写真を撮ってもいいですが,必ずマーキングがない写真を撮る必要があります.これは,マーキングを外し忘れていない証拠となります.

 以前,18G針でマーキングして,外さずに病棟へ上がり問題になったことがあり,マーキングの取り扱いが厳重となっております.造影によるリークチェックして終了です.内視鏡で少し確認しますが,拡張が不十分な場合は無理に狭窄部を通過するとずれるのでやめましょう.

食事開始

 いろいろな意見があるでしょうが,当日は水分少量程度で,翌日以後はそれまでの食事状況に応じて食事をアップしていきます.TPNで長期見ていたような人はゆっくりアップした方がよいです.

形状

 おかずは刻んでいるものが良いし,患者指導でも大きな塊は避けるよう指示します.「よく噛む」という方法はやめるというか,実際は噛み切れていないので,「必ず」食べる前に刻むよう指導します.

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