これは大圃先生の本にもそれなりのページが割かれているように非常に重要な問題です.
内視鏡の本ではあまり語られないのですが,結構各内視鏡医がこだわりを持っていると思います.
そのため,ここにあることがすべてではないことをあらかじめお断りしておきます.
指の長さや好みにより,各人にあった方法を見出してください.
アングルを操作する主戦力は親指である.
アングルを操作は親指で行っていることがほとんであることは,異論がないと思います.しかし,内視鏡には上下,左右のアングルがあるため親指のみでは対処できません.
そのためいろいろな工夫が必要になります.
Upアングルをしっかりかける
親指を下げる限界まで来たらどうしますか?
普通は親指を離して,上のノブを引っかけて,さらに下げるのが一般的でしょう.しかし,上下・左右にかかわらずアングルはニュートラルポジションへ戻ろうとする方向へ動くため,Upをかけた親指を離すと,当然少しUpが戻ってしまいます. 別にシビアな状態でなければどうやってもいいのですが,アングルから指を離すと,元に戻ろうとすします.特にアングルの角度が急になっているときはその傾向が顕著です.さらにアングルをすべて回さなくてはいけない状況は,ポジションが厳しいことが多いので,親指を離した時の戻りによる「場の崩れ」が無視できません.
その場合は最初にかけたUpアングルを中指で保持して.親指をアングルから離して,親指を上のアングルノブにかけてUpアングルをさらにかけます.
薬指は使えますか?
大圃本では薬指の話がでてきますが,私はあまりアングル操作に薬指を用いていません.うまく使えないからで,薬指より中指の使用を先に考えます.
中指と薬指は支配神経の問題で一緒に動いてしまいます.ピアニストやギターリストの人たちはこの辺をトレーニングするのでしょうし,大圃先生はできるかもしれませんが,わたしは基本的に薬指と中指が「一緒に動きます」というか別々には使えません・・・
簡単な操作,アングルを保持するぐらいなら薬指は使えますが.アングル操作となるとどうしても中指のほうが長いため力が伝わりやすいので中指メインとなっています.
左右アングルはどうしたらいいのか?
左右アングルの操作はその使用頻度の少なさから普通は難しいとです.上下と左右のトルクでだいたい事足りるため左右アングルを使う頻度は少ないはずです.それはアングルノブのサイズにも表れています.わたしは左右アングルをもともと頻用するのですが,それでも上下の方が操作は楽です.
まず上下・左右アングルの操作の優先度を決める
上下,左右を完全に均等に操作することは(私には)無理です.そのため,上下・左右のどちらがメインで操作したいのか,どちらが補助的な役割をするのかを決めます.
補助的な方のアングルを中指で保持する
主に操作したしたい方は親指でコントロールすることになるので,補助する方は中指で保持します.薬指でもいいですが,上記の理由でわたしはあまり用いていません.
中指で保持した補助側のアングルは,中指の可動範囲内で操作が可能です.
親指で操作するメインのアングルと中指で操作する補助側のアングルの協調作業で4方向をコントロールします.
親指一本で左右と上下をコントロール?
Up-LeftやDown-Rightは 方向が一緒ですので親指一本である程度行えます.
問題はUp-Right,Down-Leftです.
大圃先生の本で取り上げられていますが,なかなか難しいです.大圃先生の写真では親指が異常に反っていますが,できません.親指だけの4方向操作の場合は上下の可動域が非常に狭いので,ほとんど保持(ロック)を行う程度しかできません.上下アングルはそれほど重要でない場面で,左右をコントロールする場面では親指一本でもできると思います.中指を節約し,送気・送水のボタンにかけておけます.
おまけ:早期・吸引は二本指?
わたしは送気・吸引を二本指で行う流派です.そのため中指は送気・送水ボタンに基本はかけているため,アングル操作がシビアでない場合はなんとか薬指で上下アングルを保持し,親指で上下アングルの操作を行います.しかし補助側のアングル操作をそれなりにしなくてはならない場合は,やはり中指をアングル操作に動員するため,吸引から送気・送水を人差し指のみで担うことになります.写真も撮るとなると人差し指は大忙しです.
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