採石術:バルーンかバスケットか?

結論から申し上げますと

好みです

「好み」は無視できない要素です

施設の傾向として「バルーン派」・「バスケット派」に分かれることもあります.だいたい指導医の「好み」に依存します.

「好み」の背景にあるバルーンかバスケットか決める要因は?

  1. 結石径(個数はそこまで重要視しないが)
  2. 乳頭処置の状態 
  3. ファイバーの鉗子口径(現在は問題になるのはDBE-ERCPの時ぐらい)

1.結石径

 大きな結石は砕石具を用いる必要があります.一般的に10mm以上が砕石具を用いる目安になりますが,これは”2”の乳頭処置の状態と密接に関係します.

 EPLBDをしっかりする施設は大きな結石でもバルーンで採石できるでしょうが.普通のESTやEPLBD程度であれば砕石具を用いることになります.砕石具を使わずに無理をするとバスケット嵌頓をきたしたり,無理に排石をして乳頭損傷をきたすことがあります,また収益の点から砕石具を用いたほうが(実際砕石したかどうかは別にして)メリットがあります.

 砕石具を使おうか悩んだら,迷わず使いましょう.

 砕石具なしで行けると判断した場合のみ通常のバスケットやバルーンでの採石を選択します.

 砕石具は各社からでていますが,ハンドルへのセットアップをきちんと学んでおく必要があります.トレイニーの先生は処置が終わった後,砕石具のハンドルへのつけはずしを練習しておいてください(処置の前は時間がないので,終わったら砕石バスケットを捨てる前に練習させてもらってください).

 砕石具はオリンパスのものがスタンダードになると思いますが,ゼオンメディカルやボストンサイエンティフィック(StoneSmash)からもいくつか出ています.ゼオンメディカルにはドルミアやタイコ型といった特殊な形状のものがあり結石把持困難な場合は使用を考慮します.

 個数は問題ないといいましたが,あまりに多いと処置時間がかかるのでEPLBDを行って採石効率を上げたほうがいいでしょう.

 10mm下のものはかなり術者の「好み」に左右されます.

バスケットとバルーンの特徴は 

 バスケットは「取れるときは」,スカッと取れますが,バスケット嵌頓という嫌な偶発症があります.

 バルーンもゆっくり石が出てくれれば,排石を視認できますが,結構,ポンっとバルーンが出てきてよくわからないことがあります.その後はair cholangiogramとなっており小結石の遺残がよくわからなくなりもやもやした状態で手技を終了せざるを得ないことがあります.もちろん嵌頓のリスクはありません.

2.乳頭処置の状態

 しっかりEST(EPLBD)できているのか,びびって小切開ぐらいしかできていないのかで攻め方が変わります.嵌頓するリスクが高いと判断した場合はバルーンで安全に攻めるか,砕石具を使うことは上記1で述べたとおりです. 小結石だけど乳頭も小切開で嵌頓の可能性がある場合 はオリンパスのVorticCatch Vの使用を考慮します.

3.ファイバーの鉗子口径

 今どきの十二指腸スコープを用いる分にはいいのですが(オリンパスのJF240を除く),DBEを用いる場合には鉗子口径が3.2mmであるということを意識する必要があります(もちろん処置用のDBEの話で,もう一段細いものを用いている施設はさらに選択肢が狭まります).

 ボストンサイエンティフィックのトラぺゾイドは3.2mmに対応しているのでDBEの砕石が必要になる場合に用いています.しかし, 結石をキャッチしにくいので,大きな結石なら使わざるを得ないですが,10mm前後であればEPLBDをしっかりして,普通に採石したほうが確実に取れます.

仕上げはバルーンで?8線バスケットで行う?

 最後の仕上げをバルーンでするか,8線バスケットで行うかも悩ましい問題です.

メディコスヒラタからMedi-Globe 8-Wire Nitinol Basketがでてから頻用しています.

以前はバルーンでの仕上げを行っていたのですが,Medi-Globeの8線は結構小結石を把持してくれます.先端の仕上げが甘いので開口部に引っかかることが多いので処置後乳頭でもガイドワイヤーを過信せず,開口部の中央を狙って挿入する必要があります.

 乳頭が十分開大していればバスケットでなく,below型バルーンで生食を用いて洗い流すことも有用です.

これらのストラテジーはデバイスの開発とともに変化していきますので,変わっていくと思います.

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