内視鏡手技の長時間化に伴う問題(集中力編)

 ESDやERCP のような高度で複雑な手技では,常に選択し行動することが要求されます.ESDあればその瞬間,瞬間に状況を判断して切るべき方向を把握しそれに応じて指を動かして,手技を継続していく必要があります.

 これは常に「選択」・「判断」を行っているということを意味しています.

 このような状況を長時間続けることはそもそも困難であり,脳が疲弊して,時にいい加減な考え・判断でミスを犯してしまうことがあります(ESDで慣れたころに起きる穿孔とは意味合いが違います).

 高難度の手技は「身体的な疲れ」以上に「脳の疲れ」が大きくなります.

 疲れてきて普段しないような雑な手技や早く楽になりたいためにギャンブルみたいな行動(ハイリスク・ハイリターンでうまくいけば一気に困難を乗り越えられるが,だめだと穿孔してしまうみたいな)をしてしまうようになります.

 そのため簡単な作業(パート)はできるけルーチン作業としてできるようにしたり,疲れてきたなと思ったら少し簡単な作業(例えば胃内の吸引を行う,カメラを抜きレンズをきれいにするなど)を行い,いったん脳をリフレッシュさせてあげる必要があります.

 本当は交代するのがいいのかもしれませんが,内視鏡医にはなぜか「完遂」することを重視する傾向があります.また,トレイニーの先生であれば上級医が交代することもできますが,上級医が困難例を行っている状況で交代要員がそもそもいない状況であれば,上級医自身でなんとかしなくてはいません.

 交代要員がいない状況下では,体はまだ大丈夫でも,脳の疲労の度合いを常に意識して困難例にあたる必要があります.上級医になるような先生はだんだん身体も蝕まれていきます・・・

 難しい局面は長時間向き合わず,短く刻むなどし,脳のインターバルを取る工夫が必要です.

 一呼吸おくということを意識した方がいいです!

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